歌雑感①


さだまさし『遙かなるクリスマス』

さだ氏の『精霊流し』がラジオから聴こえてきたのは高校に入ったばかりの頃だったか。
冒頭の花火のSEも斬新だったし、さだ氏の高い声が素敵だった。
同世代の大部分の女の子たちが夢中になっていたのは当然だったと思う。
死んだ恋人を思う女性の感情をたくみに表現した詞
れいな旋律。良質な短編小説という印象。
でも、ワタシはさだ氏の歌をコピーして歌う気にはなれなかった。
もちろん耳障りはならないので他の歌謡曲といい書に聞き流していた感じだった。

この

『遙かなるクリスマス』

という曲を知ったのはごく最近である。
ネットで『プロテストソング』をググっていて知った。
この歌を絶賛し紹介する数多くのWEBページが存在した。
曰く
これはさだまさしのプロテストソングである
曰く
これはフォークでなくロック魂で歌われている
曰く
ストレートな言葉を使わずに情感に訴える
曰く
間接的な表現ながら明らかに「自衛隊イラク派兵」「ブッシュ政権への追従姿勢」を批判する内容 ...
曰く
これは、さだまさしの「セルフプロテストソング」

・・・すごいじゃないですか、さだまさし
しかもこの歌を紅白歌合戦で歌ったらしい
そんな有名な歌をワタシ今まで知らんかった・・・


youtubeで聴いてみた。
歌詞はリンク先にあります。

>二人のためのワインと
>それから君への贈り物を抱えて駅を出る

外は雪、ホワイトクリスマスらしい。
駅前で募金をした僕はビルのスクリーンに映る
爆撃の報道ニュースを見る

>僕達のための平和と 
>世の中の平和とが少しずつずれ始めている
以降3番の歌詞まではおお、これがさだまさしかと
思うくらいの内容。

さあこれでここまで歌ってこの歌をどう締めくくるのか・・・

>僕は胸に抱えた小さな 
>君への贈り物について深く考えている

いいっすね、深く考えるのは、いいっすね。
ワタシなんか考えすぎには自信がある(^_^;

>凍てつく涙を拭いながら
>生きてくれ生きてくれと叫ぶ
>雪の中で雪の中で雪の中で
>白い白い白い雪の中で

これがラスト。
いつの間にか僕は泣いていたのだ
永遠に君の幸せを願う僕が
泣きながら生きてていてくれと叫ぶ
君へのワインと贈り物を抱えたまま

「白い」と「雪」の繰り返し

昔読んだ、五木寛之氏の対談集で
五木氏が言っていた。うろ覚えなのですいません。
旧ソ連で作られた映画・・・プロパガンダとしての映画を批判して
「そのような映画ではラストシーンにその映画のあらすじとは全く関係なく、 白鳥や鶴が大空を飛翔する姿が描かれる。それによりただの体制宣伝映画が、別の何かの感動を与えるかのように感じられる。」

そんな五木氏の言葉を思い出した。
情感に訴え、答えはそれぞれが見出す、感じるものだというそういう歌もある。

ワタシには残念ながらそんな「答え」は見いだせなかった。

この歌も『精霊流し』と同じように抵抗なく聴ける。
聴いているうちにに、おお、とひきこまれる。
ラストの繰り返しが脳内に残る
しかし、それから先がワタシには見えない。

よくできた短編小説を読みワクワクしてラストのページをめくってみたらそれは白紙だった、そんな感じ。

最近、美しいXXX とかよく目にするのだが
美しいと感じるのはあくまで主観であり
何が正しいかが大事なのです、特に政治の話では。

※評論の真似事をお許し下さい。
 なら、お前、さだ氏よりまともなものを作って歌って見ろなどと
 ワタシに不可能なご注文はご容赦ください(^_^;

http://protestsongs.michikusa.jp/xmas/harukanaru_christmas.htm