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もう歌わない


もう歌わない

どんな街でも

もう歌わない

どんな村でも

もう歌わない

古い歌も

もう歌わない

異国の歌も

もう歌わない


世界というコンサートホールには

客席はひとつだけ

そこはいつも夕暮れで

かすかに金木犀の香りがする


もう歌わない

ギターも弾かない

もう歌わない

誰にも歌わない

もう歌わない

人生の雑音の中から

ひとつの美しい和音を

見つけ出すまでは


世界というコンサートホールには

客席はひとつだけ

そこはいつも夕暮れで

かすかに波の音がする


それは君のための席

あとは君がすわるだけ

それまで僕は


歌わない




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